「ゲージ場の量子論」集中講義

弘前大学の佐藤松夫さんとの合同企画で、九後汰一郎さん(京都大学名誉教授)を招いて3日間「ゲージ理論のBRST対称性とユニタリティ」の集中講義をやっていただきました。

九後さんのパワーに圧倒された有意義な3日間でした。

概要:
 現在の素粒子の標準模型は、自然界の基本的相互作用が(Higgsの湯川相互作用を除いて)全てゲージ原理にもとづくゲージ理論として記述出来ることを明らかにした。この講義では、ゲージ理論のBRST対称性に基づく明白にローレンツ共変な正準演算子形式を解説する。
 BRST対称性が如何に理論のユニタリー性を保証しているか、さらに対称性の自発的破れ、Higgs機構や、その逆定理とカラー閉じ込め、等に対して、演算子形式では統一的で明快な理解が可能であることを示す。

内容:
 1) 局所ゲージ不変性とゲージ場
 2) BRST対称性
 3) ゲージ場の正準量子化
 4) Ward-高橋恒等式、漸近場
 5) BRST代数の表現
 6) 物理的S行列のユニタリ性
 7)* 物理的S行列のゲージ固定非依存性
 8)* 対称性の自発的破れ、電荷演算子
 9) Goldstone模型とHiggs模型
 10) Higgs現象の逆定理とカラー閉じ込め
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 *)の付いた節は講義の進捗状況により省略